世界最恐都市?南アフリカ・ヨハネスブルグの治安を現地在住者がレポート[2018年10月]

私が住んでいる南アフリカ共和国最大の都市ヨハネスブルグですが、インターネットで検索すると、

 

「世界最恐都市」

「防犯対策にハイエナ」

「半径200mで強盗にあう確率150%」

「バスの乗客全員が全員強盗」

「男も女も関係なくレイプされる」

 

など、都市伝説さながらのヨハネスブルグの治安に関する恐ろしいまとめ記事がたくさんヒットします。

 

ヨハネスブルグに移住する前はインターネットの情報が頼りだったので、検索しては震える日々だったのですが、いざ移住してみるとやっぱり聞くのと見るのとでは少し違うなーというのが実感です。というわけで今回、在住者目線からヨハネスブルグの治安(2018年10月現在)について実際のところをお伝えしたいと思います。

 

■犯罪件数などの数字から見る南アフリカ、ヨハネスブルグの治安

 

外務省海外安全ホームページの情報によると、ヨハネスブルグの危険度は「レベル1:十分注意してください。」となっており、「基本的にどの地域においても移動は車で行い、徒歩での移動(特に夕方や早朝を含む夜間)は避けてください。」とあります。

 

ヨハネスブルグに移住してきてからまず驚いたのは、外を歩いている人の少なさでした。朝ランニングをしている人を除けば白人はまず歩いていないですし、現地在住の黒人も歩いている人はちらほら。特に日が落ちてからは歩いている人はまず見ません。実際に、ヨハネスブルグに赴任している日本人(駐在員+家族を含む全員)は、基本的に昼間でさえも徒歩での移動は認められていません。私も例に漏れず、自宅から徒歩1分のところにガソリンスタンド併設のコンビニエンスストア、徒歩2分のところにスーパーマーケットやドラッグストア、酒屋などがあるのですが、その距離でも車で移動しています(車の乗り降りを考えたら歩いた方が早いのですが…)。

 

犯罪の発生件数を見てみると、主な犯罪の年間発生件数は以下の通り(カッコ内は1日あたりの発生件数)。

 

○ 殺人 19,016件( 52.1件)

○ 殺人未遂 18,205件( 49.9件)

○ 重傷害 170,616件(467.4件)

○ 凶悪強盗 140,956件(386.2件)

○ 侵入窃盗 246,654件(675.8件)

○ 車上ねらい 138,172件(378.6件)

○ 薬物関連 292,689件(801.9件)

○ 性犯罪 49,660件(136.1件)

 

南アフリカの人口が約5,000万人なので、犯罪等の発生件数・発生率ともに高い比率で推移しており、治安状況は決して良いとは言えないのが現状です。特に殺人については、1日あたりの発生件数は殺人52件、同未遂50件とこちらも非常に高い水準で推移しています。国際統計・国別統計専門サイトによると、殺人発生率の国別ランキングでも南アフリカは10位(日本は194位)となっています。

 

ちなみにこれらの数字を見る時に注意すべきは、「報告として上がってきて把握できているもののみである」ということです。南アフリカ人の知り合いから、本当に治安の悪いエリアでは毎日ありとあらゆる犯罪が発生しているので、そのエリアでの犯罪はニュースにもならないという話を聞きました。なので、上記の件数の2倍なのか、3倍なのか、実際の件数はわからずあくまで目安として見ておいた方がよいと思います。

 

■実際に住んでみてどう?ヨハネスブルグの住宅事情・生活エリア

 

 

これは私の自宅の入り口付近の写真ですが、敷地の周りには、高圧電流が流れている電線がはりめぐらされており、入り口には防犯カメラが設置されています。

 

日本人が住むような比較的治安が良いと言われているエリアでは、入り口にはゲートがあり、24時間対応のセキュリティスタッフが常駐しており、敷地内に入るためには所定の手続きが必要なところが多く、持ち物検査やID・運転免許証提示、携帯電話番号登録が義務付けられているところもあります。

 

犯罪件数を見ると「とてもじゃないけど住めない」と思われるかもしれませんが、ヨハネスブルグの中でも治安の良いところ悪いところ、グラデーションがあります。治安が悪いと言われているのはヨハネスブルグの市街中心地(Central Business District(CBD)、カールトンセンター付近からヨハネスブルグ中央駅及びヒルブローに至る地区)なのですが、私が住んでいるのは同市北部郊外のサントンという地区で、市街中心部に比べれば比較的安全と言われているエリアです。

 

徒歩移動こそできないものの、ショッピングモールまで車で行けばその中では自由に歩くことができますし、モール内のスーパーマーケットで買い物したり、レストランで食事をしたり、日本にいるのと変わらないような感覚で過ごすことができます。

 

ショッピングモールの駐車場です。場所によってはあまり雰囲気が良くないので、地下駐車場よりも地上駐車場、しかも建物の入口近くに停めたいなという印象です。

 

ショッピングモール内。雰囲気は、日本にあるショッピングモールと変わりません。

 

私が住んでいるサントンを含め、日本人が暮らしているエリアは欧米文化。特に、南アフリカはイギリスの植民地だった過去を持つので、かなりイギリスの影響を色濃く受けているという印象です。

 

素敵な雰囲気のレストランもたくさん。私個人的な意見ですが、レストランの内装のおしゃれさは日本よりも南アフリカの方が上だなーと思うことも多々あります。余談ですが、おしゃれという話で言えば、南アフリカ人はおしゃれさんが多いです。職がなくて道路に座っている人でもおしゃれに気を配っていて、いつも見習わねばと思うぐらい。

 

そんなこんなで、治安の面の不安はあるものの、私が生活している圏内で買い物や食事などをする分には極めて暮らしやすい環境にあると思います。

 

■2018年現在、ヨハネスブルグにおける犯罪の日本人被害状況

 

日本人が住んでいるエリアは、ヨハネスブルグの中でも比較的安全なエリアとお伝えしましたが、そのエリアでも残念ながら日本人が被害に遭う犯罪が発生しています。前述の外務省海外安全ホームページによると、日本人旅行者等が犯罪にあった事件は2017年1月から11月までに37件発生しています。つまり、日本人被害だけで月に3件以上発生しているということで、これは決して少ないとは言えない件数です。南アフリカに駐在している日本人が400人ほどなので、その確率の高さもお分かりいただけるのではないかと思います。犯罪形態の内訳は、凶悪強盗被害が17件(カージャック6件、住居侵入強盗5件、偽警察官関連3件等)、窃盗事件が8件(車上狙い6件、置き引き2件)ということです。

 

日本人が被害に遭う事件が発生すると、在南アフリカ日本大使館から注意喚起の発信があるのですが、体感的にもそのアラートを月2回以上受け取っているなという感覚です。

 

・被害事例1

ヨハネスブルグのRivonia Village Shopping Centerにおいて、在留邦人がスタンダードバンクのATMを利用中に、突然2人組の男に声を掛けられ、操作方法を教えるなどと親切を装いATMの画面に触れようとしたため、触るなと強く反抗したところ、その2人組は暴言を吐きながら、隣のATMに移動した。その後、在留邦人が取引を終えてその場を立ち去ろうとした際に、別の3人組の男が現れて、邦人が利用したことでATMが使えなくなったとの言い掛かりを付けられ、5名の男に取り囲まれ逃げ場を失い、カードをすり替えられ、暗証番号を入力させられ、直後に別のATMで5,000ランドを引き落とされた。※本事案は、元々5人組のグループで、組織的に行われた犯行であると考えられます。

 

・被害事例2

在留邦人が南ア人同僚とヨハネスブルグのサントン地区にあるサントンアクションスポーツの駐車場で、カージャック被害に遭う事案が発生しました。被害邦人は、同施設を訪れた際、施設入り口正面の駐車場が満車であったことから、150mほど離れた人気のない場所に駐車し、車から降りた直後、拳銃を持った5人組に襲われたものです。犯人は、同僚の頭に拳銃を突きつけて車の鍵と財布を強奪し、在留邦人の車で逃走し、その後車はマルボロ地区で発見された由です。

 

上記は大使館発信の被害事例の一部ですが、駐在員に限れば400人しかいない日本人の中の何人かが実際に被害に遭っているという話で、決して他人事ではなく、比較的安全だと言われているエリアで注意して生活していても被害に遭う可能性があるということを常に心に留めて生活しなければと思っています。
こうしたニュースは日々アップデートされるので、またどこかのタイミングで状況をお伝えできたらと考えています。